卒業研究発表会も無事に終わり、4年生は卒業論文の執筆に追われていますが、研究室は静かです。
コアラ班の二人に今年度の研究紹介を書いてもらいました。
それではどうぞ。
こんにちは。
動物行動学研究室4年の河野・西田です。
私たちコアラ班は、コアラがどのようにして好きなユーカリを選んでいるのか、ということを研究しています。
昨年度は「匂い」に注目していましたが、今年度はユーカリの栄養成分に注目し、ユーカリにはタンパク質・脂肪・食物繊維がどのくらい含まれているのかを調べています。
さらにコアラの糞にも同じ分析をして、食べる前と食べた後でどのくらい栄養成分が変化するのか、その代謝性も調べています。
今回実験にご協力いただいたのは名古屋市にある東山動植物園です。
ここで暮らしているコアラ7頭に協力してもらいました。
コアラの食べたユーカリが糞として出てくるまでには48~72時間かかるため、コアラにあげたユーカリと、そのユーカリをあげた2日後の糞を採取しています。
私たちはコアラの飼育場には入れないので、飼育員さんに採取していただきました。
採取したユーカリと糞は大学で分析にかけます。
これはタンパク質を測定しているところです。この後、脂肪や食物繊維も測っていきます。
またユーカリには毒性成分が含まれていることが知られており、野生の中でもユーカリを主食としている動物はほとんどいません。
それでもコアラはユーカリを主食としているため、毒性成分がユーカリの好き嫌いに関係していると考え、ユーカリに毒性成分がどれくらい入っているかという解析もする予定です。
その他にも昨年度の研究で、コアラの腸内細菌がユーカリの好き嫌いに関係している可能性が出てきました。
今年度は細胞分子機能学研究室の皆様とコラボして、昨年度より詳しく腸内細菌を調べていただいています。
結果が出た後に給餌記録と照らし合わせていくのですが、どんな結果になるのか私たちも楽しみです。
今回研究にご協力いただいた東山動植物園の皆様、落合先生、栄養生理学研究室の皆様、本当にありがとうございました!
(河野・西田)