Laboratory of Animal Behavior, Division of Animal Science, School of Veterinary Medicine, Kitasato University

イヌについての研究

当研究室では動物介在活動に用いられるイヌの動物福祉を評価する研究、およびイヌの認知を調べる研究をおこなっています。

動物介在活動に用いられるイヌの動物福祉を評価する研究

イヌは我々の暮らしに癒やしを与えてくれる存在です。海外の事例に追従する形で日本でもいくつかの病院で入院患者とイヌとのふれあい活動を取り入れ始めています。動物介在活動や動物介在療法と呼ばれるこうした取り組みは、患者に気分向上効果や充足感を与え、入院生活やその間の治療・リハビリテーションに前向きに取り組めるようになるとされています。

一方、動物介在活動・動物介在療法に供されるイヌは、活動をどのように感じているのでしょうか。仮に入院患者とのふれあいを苦痛に感じているとしたら、動物福祉の観点から望ましくありません。反対に、動物福祉を損なわないとしたら、患者さんに良い影響を与える活動であるので、より積極的に推進されるべきでしょう。

このような観点から、当研究室ではイヌを用いた動物介在活動・動物介在療法に取り組むいくつかの病院と協力して、活動に用いられるイヌの動物福祉を評価する研究に取り組んでいます。

イヌの認知についての研究

イヌは我々の暮らしに最も身近な動物の一つです。多くのイヌは人間と生活環境を共有して暮らしています。では、イヌは自らを取り巻く環境をどのように捉え、どのように感じているのでしょうか。我々ヒトと同じように感じていることもあれば、まったく異なる感じ方をしていることもあるはずです。

イヌが暮らす環境の中には我々ヒトや、他のイヌ、ネコ、自動車など多様な存在(=刺激)があります。イヌにとって大事な意味を持つ刺激に対して、イヌは自然と視線を向けるはずです。そのような「イヌが何を見ているのか」を調べる研究に取り組んでいます。アイトラッカーという実験機器を使うことで、イヌの視線の動きを記録することができます。上記のような刺激を含む風景や、ヒトやイヌの体の動きなどを撮影した映像や写真をイヌに見せ、その中でイヌが視線を向ける部位を特定することで、イヌにとって重要な意味を持つ刺激を明らかにしています。また、このような実験を家庭犬と盲導犬でおこない、比較することでそれぞれの持つ特性の理解を試みています。盲導犬を対象とする実験は、公益財団法人日本盲導犬協会にご協力いただいて実施しています。

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