本研究室で取り組んでいる研究の主要なトピックである動物福祉(アニマルウェルフェア)について考えるためには、その動物の本来あるべき姿である野生環境の暮らしを考慮することが欠かせません。
仮に動物種が違ったとしても、野生動物というものを全く知らないまま動物との関係性を適切に考えていくことは難しいだろうということで、青森県を代表する野生動物である下北サルと(こちらは野生個体というわけではありませんが)寒立馬を見学しに、学生たちを連れて下北半島へ出かけてきました。
今年は同行を希望する学生が多かったため2グループに分かれて行ったのですが、以下にまとめて写真を掲載します。
なお見学にあたっては、野生個体と我々の間で接触が起こらないよう十分に注意し、適切な距離を取るよう心がけています。
まずは下北半島の先端、南西角の脇野沢へ行きニホンザルの観察をしました。ヒト以外の霊長類のなかでは最も北に分布し、「北限のサル」として知られている個体群です。
続いて下北半島の北東角、尻屋崎へ移動し寒立馬を見学しました。灯台のそば、雪に覆われながら立っている姿で有名なウマたちです。
ニホンザルも、寒立馬も、学生たちは直接目にすることができて感銘を受けているようでした。卒業研究や、さらにそのあとも続く動物たちとの関わりの中で今回の経験を活かしていってくれることと期待しています。